モンテッソーリ教育ってなあに~其の弐

前回の記事からモンテッソーリ教育について少し掘り下げて紹介してきましたが、今回はその続きになります。 

敏感期について

子どもの育つ過程の中で、ある特定の事柄に特別な感受性を発揮する時期があり、モンテッソーリ教育ではこのような時期を「敏感期」と呼びます。

 子どもはある時期、環境の中の特定の要素に敏感に反応し、集中してこれと関わりを持とうとします。

この関わりを通して、生きていく上で必要な能力を獲得していきます。この感受性は一過性のもので、一定の期間にあらわれ、消えて行きます。

 生物の幼少期には、ある能力を獲得するために、環境の中の特定の要素に対してそれをとらえる感受性が特別に敏感になってくる時期があります。この一定期間の敏感な感受性は強いエネルギーとなって現れます。

「敏感期」は、生物学者であるド・フリースが発見し、使い始めた言葉です。

 この感受性を人間の中に見出し教育法に利用したのが、モンテッソーリです。

 敏感期においては、子どもは努力しないで大きな能力を獲得します。もし敏感期を逃してしまったら多大な努力を必要とし、その割にはあまり成果があがらないと言われています。

例として、幼児の母国語(言語)の習得を挙げれば簡単に想像がつくと思います。

 この敏感期にこたえられる環境を整えることこそが、モンテッソーリ教育法の基本であり、「最も適した時期」にあたります。

モンテッソーリ教育における5つの分野

1.日常生活練習

洗濯やアイロンがけなど日常生活の様々な練習を通し、子ども自身の生活を依存から自立へと成長させ、さらには精神的にも自立する心を育てます。

2.感覚教育

子どもは3歳から6歳の間に、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感が著しく発達する敏感期があると言われています。感覚の発達は知的活動の基礎となるため、モンテッソーリ教育の中でも特に重要視されています。

3.言語教育

モンテッソーリの言語教育は、言語発達の敏感期に従い、教育内容が系統だっています。日常生活練習と感覚教育を基礎とし、子供の興味や傾向に適したゲームや、言葉遊びが導入や展開に用いられます。「話す」「書く」「読む」だけではなく、「文法」や「文章構成」も早い時期から学びます。

4.数教育

モンテッソーリの数教育は、具体的に感覚で捉えることのできる「数量」から入っていきます。具体物である「数量」と、その数量を言い表すときに使う「数詞」、書き表すときに用いる「数字」の三者関係を重視し、これら三者が一致したときに初めて数量概念を身につけたと判断します。

5.文化教育

動植物、地理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などが含まれます。生命の神秘への興味や芸術に関する表現力など、多岐にわたった能力を育みます。

 

参照元

◆モンテッソーリ教育って何?という初心者の方へ - モンテッソーリ教具をお手頃価格で販売するショップ「モンテママのたからもの」

 

次回は、モンテッソーリ教育が科学的教育と言われる所以である「観察」について触れていきたいと思います。