手伝うこと、見守ること
過去の記事で紹介しましたが、モンテッソーリ教育において、子どもの観察という視点を養うことはとても大事な要素です。
「観察」というと難しい響きですが、一歩退いて見守るとも言えます。
しかし、これはこれで実践しようとなるとなかなか難しいものです。
思い返せば、私自身が子どもと接する時、どうしても大人としての考えを子どもに押し付けてしまうことが多かったと思います。
例えば、そばで子どもが遊んで困っている時、つい手伝ってしまいます。
大人にしてみれば簡単なのは当然です。
それは往々にして、答えまで出してしまいます。
その時の実際の子どもの反応は、つまらなそうな表情や怒り、悲しみの表情として私の脳裏に焼きついています。
今思えば、結果的に子どもが自分でやり遂げたかった大事な作業(モンテッソーリ教育では「お仕事」と呼んでいます)を横取りしたかたちになります。
モンテッソーリ教育において、「活動のサイクル」と呼ばれるものがあります。
それは、
①自分の自由意志で選ぶ
②選んだものに続けて関わる
③関わったときに困難が生じたとき、投げ出さないで全力で取り組む
④全力をつくして乗り越え、成し遂げる
という一連のステップを指します。
これは、子どものみならず人間がひとまわり大きく成長する上で、大切な過程です。
私が取った行動つまり過度な手伝いは、③、④の過程を奪ってしまい、成長の機会を失わせる結果となります。
あの時の子どもの表情は、これを意味していたのだと考えられます。
この様な発見を積み重ねていくことが、「観察」という言葉の理解を深めていくための第一歩だと思います。
子どもだけでなく、大人も成長し続けること、またそうできる環境をつくることの重要性を感じています。
参考図書
モンテッソーリの幼児教育 ママ,ひとりでするのを手伝ってね!
- 作者: 相良敦子
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