タブレットを活用した授業風景

教育現場において、どのようにタブレット端末を活用するかは大きな課題となっています。

その取組みについて取り上げた記事を見つけたので、紹介します。

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http://デジタルとアナログを効果的融合 タブレット端末1人1台の運用で

 さまざまな音の振幅と振動数を調べる同単元の授業では、これまで主に「オシロスコープ」を使って音波を写し出す機会が多かったが、この実践では、生徒一人ひとりがもつタブレット端末と無料アプリ「SPEANA」を有効に活用した。

(中略)

SPEANAはマイクで拾ったさまざまな音波の拡大画像や一定の時間内の音波から注目したい部分を選択し波形を観測することが可能。このようなアプリ特性を生かし、教室内外にある複数の楽器を生徒が各自自由にかき鳴らしながら画面上に再現される音波を観察、記録し、それぞれの音の強弱と振幅、振動数の比較を進めていった。

(中略)

最後のまとめの集約、意見共有でも、「『高い音では音波1周期の振動周期が短く』『低い音では音波1周期の振動周期が長い』」など、同アプリの「音波の拡大表示」などを有効に生かし、実験結果から、音の大きさ・高さと音波の振幅、振動数の関係へと理解を深める学びを実現していた。

 この記事を読む限り、タブレットを利用するメリットが大きく2つ見えてきます。

一つは、授業の幅が広がることです。

本来ならば、オシロスコープといった機器がなければ不可能な授業が、アプリやソフトウェアによって可能となります。

もう一つは、生徒の活動の幅が広がることです。

簡単に持ち運びができるため、行動範囲が広がり、個人の興味に対応することが可能となります。

その一方で、端末運用上の問題として、一定の端末数確保とその管理方法が挙げられており、まだまだ議論の余地はあるようです。

こういった具体的な取組みのなかでの試行錯誤が、今後の新たな展開を生み出す上ではとても大切なことだと思います。

勝手な思い込みは、ダメ!?

幼児期の子供の育て方で、抑えておきたいポイントって何でしょう?

興味深い記事を見つけたので、紹介します。


幼児期に差をつける!将来勉強嫌いにならない育て方 [早期教育・幼児教育] All About

子どもは、頭ごなしに注意されると、まるで自分の全てを否定されたかのような気持ちになり、何に対しても消極的になってしまいます。そして、本能的に自分を守り、人の顔色をうかがい、知りたいという本能を抑え込み、好奇心が育たなくなってしまいます。

 子どもと接するとき、大人の都合で「あれはダメ、これはダメ」と言ってしまうことはよくあると思います。

「なんでダメなの?」という問いに、明確な答えを持っていなかったり、ただのわがままと感じて説明を省いたりする場面も経験としてあります。

また、”教育としつけ”となると、その境界線は簡単に定義できるものではありません。

これまで私は、なるべく子どもの目線に合わせて接することを心がけてきましたが、その前に子ども自身の人格を受け入れ、尊重する姿勢を持つことが何よりも重要だと感じています。

「子どもには無理だろう」、「まだ難しいかな」と勝手に思い込むのではなく、自由かつ安全に活動できる環境をつくり、何に興味があるのか、どこでつまずいているのかに注目し接することが、子どもの好奇心、自発性を育む上で大切だと考えています。

続:3歳から6歳までに必要な援助って!?

 モンテッソーリ教育の視点から、幼児期の子どもたちに家庭でもできる援助(お仕事)とは何か、年齢別に紹介します。

今回は、3歳から6歳の言語教育注目してみます。

言語教育

3歳から4歳まで

・さらに語彙が豊富になり、思うことをかなり表現できるようになる

何でも子どもと話し合う、ことば遊び、指とことばを使う歌、ストーリーテリング、文字入りの絵カード合わせ 

・文字への興味、1文字1文字を読める子もいる

ことばを言いながら手をたたく、音節遊び。50音表を壁にはっておく、50音の積み木、文字ならべ。文字を書くための準備として図形の枠に沿って線を描く、メタルインセッツ。字形を認識するためになぞる、砂文字板

・ことばと文字を結びつける

ことばを言って文字をならべる、単語ならべ。絵に合った文字をさがす、文字さがし

 4歳から5歳まで

・話しことばはほぼ完成の域に達し、より高度な説明、表現、むずかしいことばなどを使えるようになる

しりとり、「あ」のつく言葉集め、なぞなぞ、早口ことば、助数詞の使い方、絵を見て説明する、劇遊び、詩の朗読や暗誦

・書きことばの爆発期、文字を書くことに熱中する

チョークと黒板、ホワイトマーカーとボードなどすぐ消せるものに書く、小さい黒板。マス目の紙に文字を書く、市松模様の紙 

・話しことばを文字で表現する

濁音、半濁音、促音、長音、拗音、拗長音、拗促音などを教える。清音、濁音、半濁音の紹介、特殊音節の紹介

・単語や短文を読む

拾い読みからまとまって読めるようにする、物と名前カード小さいバスケット赤いカード遊び封筒パズル

 5歳から6歳まで

・文を書く

お手紙や日記を書く

・言語の仕組みに興味を持つ

品詞の機能、文章構成、文型 

 *下線部はモンテッソーリ教育の言語教育

幼児期の子どもは大人が気にも留めない微細な点まで、五感が働いています。

言語教育を行う上で大事なことの一つは、正しい発音やアクセントで子どもに分かりやすいように伝えてあげることです。

また子どもによって発達進度も異なるので、他の子どもとの比較や一般論に惑わされることなく、眼の前の子どもにしっかりと焦点を当て、観察し、ときには援助し、見守ってあげることが、幼児期の教育において重要なことだと思われます。

 

参考図書

お母さんの工夫―モンテッソーリ教育を手がかりとして

3歳から6歳までに必要な援助って!?

 モンテッソーリ教育の視点から、幼児期の子どもたちに家庭でもできる援助(お仕事)とは何か、年齢別に紹介します。

今回は、3歳から6歳の日常生活の練習、感覚教育注目してみます。

日常生活の練習

・通す

細かいビーズをテグスに通す、ビーズの指輪作り

・はめこむ

ジグソーパズル

・はさむ

クリップばさみ、竿ばさみ、ピンセットで豆をはさんであけ移す

・注ぐ

水を線まで注ぐ

・切る

はさみで長い直線、曲線、複雑な図形を切る、包丁で果物や野菜を切る

・貼る

複雑な図形ののり貼り

・線上歩行

・折る

布、折り紙、ちり紙などを線で折る、複雑なものを折る

・絞る

雑巾、布巾など絞る

・縫う

図形の縫い刺し、クロスステッチ、木綿針と糸を使った縫い物

・結ぶ

紐結び、蝶結び、風呂敷

・手順が多い仕事をする

洗濯、花の水切り、金属磨き、ごますり、動植物の世話など

感覚教育

・五感が一生でもっとも鋭敏になる時期

五感を独立させて刺激できるような工夫をする

・視覚

いろいろな平面図形、いろいろな立体図形を見せたり、触れさせたりする。幾何タンス幾何学立体構成三角形二項式三項式色つき円柱 

・触覚

いろいろな素材、布地合わせ、いろいろな温度、温覚筒、いろいろな重さ、重量板を体験し、同じものを合わせたり、分類したりする

・聴覚

音の強さ、雑音筒、音の高低、音感ベルを聞いて、同じものを合わせたり、段階づけたりする。外国語教育、音感教育はこの時期に始めると良い

・味覚と嗅覚

いろいろな味、味覚瓶、いろいろな匂い、嗅覚筒を体験し、言葉で表現したり、同じものを合わせたりする

 *下線部はモンテッソーリ教具名

モンテッソーリ教育において、3歳から6歳は感覚、運動の敏感期と言われ、幼児期のなかでも特に注目される時期です。

また、この時期は脳の様々な神経回路の基本骨格が形成される大事な時期にあたります。

脳への入力は「五感」を通して行い、出力は「運動」を通して行われます。

良質な環境を整えるとは、この一連の過程をより多く経験できるような環境を与えてあげることだと言えます。

そのためにも、子ども自身が今どのような敏感期にいるのかを見分ける視点、知識を養うことが、大人の重要な役割だと考えられます。

 

参考図書

お母さんの工夫―モンテッソーリ教育を手がかりとして

2歳から3歳までに必要な援助って!?

モンテッソーリ教育の視点から、幼児期の子どもたちに家庭でもできる援助(お仕事)とは何か、年齢別に紹介します。

今回は、2歳半から3歳に注目してみます。

日常生活の練習

 ・たたく

だるま落とし

・引く

タイヤ引き、車引き

・運ぶ

お盆に水の入ったコップを載せて運ぶ、椅子やじゅうたんを運ぶ

・通す

大きいビーズやマカロニを糸に通す

・分ける

手やスプーンで豆を分類する

・はめこむ

パズル、入れ子

・はさむ

洗濯ばさみ、トングでくるみをはさんであけ移す

・ねじる

ボルトとナット、瓶の蓋合わせ

・注ぐ

豆をピッチャーからピッチャーへあけ移す、米、砂、水も

・切る

はさみで自由切り落とし、短い直線切り落とし

・貼る

単一図形ののり貼り、図案のシール貼り

・拭く

スポンジ、雑巾、布巾などで机、床などを拭く

・絞る

スポンジを両手で絞る

・洗う

手を洗う

・巻く

雑巾、じゅうたんなどを巻く

・とめる、はずす

マジックテープ、ぼたん大、スナップ大などをとめたりはずしたりする

・縫う

毛糸針と毛糸で直線、曲線など基本の縫い刺し

 感覚練習

・いろいろな味や匂いを感じ分けるようになるが、まだ言葉では表現できない

いろいろな味や匂いを体験させる

・同じものを見つけて合わせることができる

円柱さし、いろいろな色の色合わせ、色板、全く同じ小物を2個ずつ準備して袋から出していく、実体認識袋のペアリング 

・大きさ、太さ、長さなどの違いを認識し、それを基準にして段階づけることができる

積み木、じゃがいも、石、棒切れ、紐、鉛筆など身近なものを、段階づけられるように準備する、ピンクタワー茶色の階段長さの棒

・色、形などの違いを認識し、それを基準にして分類することができる

豆、ビーズ、マカロニなどを数種類ずつ準備し、分類できるようにする

 言語教育

・文の爆発期、上記に加えて、接続詞、副詞、代名詞なども使う。最後に動詞がくるきちんとした文を話すようになる

 繰り返しのある絵本、物語絵本なども好むようになるので、見せながら読み聞かせる。3段階の名称練習

・思想表現、未来や過去形、抽象概念の言葉も話せるようになる

意識して時の概念のある言葉を使う。反対語遊び。間違って覚えている語や文は正しいものを教える

 *下線部はモンテッソーリ教具名

3段階の名称練習とありますが、言語教育においては物と名称を結びつける方法として用いられます。(感覚教育においては、知覚と言語を結びつけます。)

・第一段階

「これは〇〇です」⇒物と名称との結びつけ

・第二段階

「〇〇はどれですか」「〇〇をください」⇒名称と対応する物の認識

・第三段階

「これは何ですか」⇒物に対応する名称の記憶

この過程を意識して子どもに示してあげることで、より教育としての効果が得られるようです。是非とも、お試し下さい。

 

参考図書

お母さんの工夫―モンテッソーリ教育を手がかりとして

1歳半から2歳までに必要な援助って!?

モンテッソーリ教育の視点から、幼児期の子どもたちに家庭でもできる援助(お仕事)とは何か、年齢別に紹介します。

今回は、1歳半から2歳に注目してみます。

日常生活の練習

・つまんで落とす

爪楊枝落とし、チップ落とし

・たたく、

木玉たたき、とんとん遊び=木づちで木杭をうちこむ

・運ぶ

お盆に積み木、空のコップなどを載せて運ぶ

・通す

紐に木玉 、穴の開いた台紙に紐

・はめこむ

立体を穴にはめこむ、はめこみ図形

・はさむ

ピンセットでスポンジや落花生をはさんであけ移す

・ねじる

ビンの蓋の開閉、容器の蓋をまわす

・貼る

シールを白紙・マス目に貼る

・引く

毛糸や紐を空き瓶に入れ、細い穴から出ているのを引く

 感覚教育

・同じ色、同じ形などが簡単なものは分かるようになり、合わせたり分類したりできるようになる

3原色の色合わせ、同じ色の箱に同じ色のボールを入れる、〇△◇などの単純な形のはめ込み図形、3原色の玉刺しなど、日常生活の練習の際に使用するものの色、形などに注意して準備する

・音楽に合わせてリズムを取り始める

リズム体操、いろいろな音楽を聞かせる、音程のある楽器に触れさせる 

 言語教育

・ 2語文を話すようになる

きちんとした形の文を使って話すように心がける

・「これ、何?」とたずねる

名称とその使用法などを、きちんと説明する

・単語の爆発期、実名詞を多用する。動詞が活用できるようになり、形容詞、前置詞なども使えるようになる

2者択一、3者択一などの選択肢を与えて、子どもに選択させることにより、語彙を増やす。絵のみの絵カード合わせ、実物合わせ

 *下線:モンテッソーリ教具名

 徐々に活動の幅が広がってくるこの時期、家庭にある身近な道具を使ってお手製のおもちゃを作ってみるのも良さそうですね。

また、おもちゃで遊ぶときには、子どもが自分自身で選択できるような環境を整えてあげることで、自主性、自発性を育むことができるのではないでしょうか。

 

参考図書

お母さんの工夫―モンテッソーリ教育を手がかりとして

1歳から1歳半までに必要な援助って!?

モンテッソーリ教育の視点から、幼児期の子どもたちに家庭でもできる援助(お仕事)とは何か、年齢別に紹介します。

今回は、1歳から1歳半に注目してみます。

日常生活の練習

・歩く

十分に歩ける環境、散歩、自然

・落とす

どんぐり落とし、豆落とし

・引く

つり革引き、オルゴール引き、引っ張って歩くおもちゃ

・押す

手押し車

・積む

大きいブロックや積み木

・通す

固定棒に木玉やリングを通す

・はがす、貼る

柄や図形のマジックテープと大きい台紙

・あけ移す

マカロニや豆を手やスプーンであけ移す

・かける

フックに紐やリングの付いたものをかける

・開閉する

引き出しや籠、手さげなどに物を出し入れする 

 感覚教育

・形、色、音の違いに気づき始める

 積み木、たたいたり振ったりして音の出る単純な楽器、立体などに触れたり、動かしたり、音を出したりさせる

・温度差がわかる

冷たい水、熱いお湯、暖かい日向、涼しい木陰などを体験させる

・特につるつるとざらざらに興味がある

塀や壁、ガラス、鏡などを触らせる

・味覚が発達し、好き嫌いが始まる

これまでにいろいろな食べものを体験させる、なるべく自然素材のもの、手作りのものを与える

 言語教育

・最初の意味のある言葉、マンマ、パパ、ブーブーなどを話す

対話をする、豊かな語彙で話しかけるようにする

・物に名前があることを知り、興味を持ったり、指さしたりする

子どもが混乱しないように、同じものを別の名前で呼ばないように心がける、指さした物の名前を正確に発音する 

 その他、1歳頃から始まる幼児の特性として「秩序感」のこだわりがあります。

いつもと違う場所だったり、順序だったり、やり方だったりした時に、突然不機嫌になるという場面を経験したことはないでしょうか。

これは、距離感や上下左右の位置感覚を認識するために、脳の発達が盛んになっていることと関係しているようです。

そのため、「秩序感」のこだわりを暖かく見守ることが、子どもの成長を援助する大きな要素だと言えそうです。

 

参考図書 

お母さんの工夫―モンテッソーリ教育を手がかりとして

お母さんの工夫―モンテッソーリ教育を手がかりとして